第12章 光

光の屈折と反射
─ ホイヘンスの原理とフェルマーの原理

高校物理では、スネルの法則 $n_1 \sin\theta_1 = n_2 \sin\theta_2$ を公式として覚え、それを使って屈折角や全反射の臨界角を求めます。 公式としては正しく、入試問題を解くには十分です。

大学物理では、この法則がなぜ成り立つのかを2つの異なる視点から説明します。 1つは波動論に基づくホイヘンスの原理、もう1つは「光は最短時間の経路を通る」というフェルマーの原理です。 どちらからもスネルの法則が導出でき、暗記に頼る必要がなくなります。

この記事では、高校で覚えた公式の背後にある物理を明らかにし、屈折・反射・全反射を統一的に理解する方法を示します。

1高校物理の道具を確認する

まず、高校物理で屈折と反射をどのように学ぶかを確認します。

高校物理では、光の屈折に関して次の法則を学びます。

スネルの法則(高校版)

$$n_1 \sin\theta_1 = n_2 \sin\theta_2$$

$n_1, n_2$ は媒質1, 2の屈折率。$\theta_1$ は入射角、$\theta_2$ は屈折角。

反射に関しては、反射の法則(入射角=反射角)を学びます。 また、全反射については「光が屈折率の大きい媒質から小さい媒質に進むとき、入射角がある角度(臨界角)を超えると全反射が起こる」と学びます。

臨界角 $\theta_c$ は $\sin\theta_c = n_2 / n_1$(ただし $n_1 > n_2$)で求められます。

これらの道具で入試問題は十分に解けます。しかし、次の疑問には答えられません。

  • スネルの法則はなぜ成り立つのか。なぜ $\sin$ が登場するのか。なぜ $n_1 \sin\theta_1 = n_2 \sin\theta_2$ という形なのか
  • 光はなぜ屈折するのか。媒質の境界で光の進行方向が変わる物理的メカニズムは何か
  • 屈折率とは何か。屈折率の物理的な意味は「光の速さ」にどう関係するのか

大学物理では、これらの疑問に対して明確な回答を与えます。

2大学の視点で見ると何が変わるのか

大学物理では、スネルの法則を導出できるようになります。2つの独立な方法で導出できる点が重要です。

高校 vs 大学:光の屈折の理解
高校:スネルの法則を暗記する
$n_1 \sin\theta_1 = n_2 \sin\theta_2$ を覚えて使う。なぜこの式が成り立つかは問わない。
大学:原理からスネルの法則を導出する
ホイヘンスの原理(波動論)またはフェルマーの原理(最短時間)から、スネルの法則が自動的に出てくる
高校:屈折率は公式中の定数
屈折率の物理的意味は深く問わない。
大学:屈折率は光速の比
$n = c / v$(真空中の光速 $c$ と媒質中の光速 $v$ の比)。屈折は速さの違いから必然的に起こる。
高校:全反射の条件を暗記する
$\sin\theta_c = n_2/n_1$ を覚える。
大学:全反射はスネルの法則の帰結
$\sin\theta_2 = 1$ を超えられないことから自然に導ける。
この記事で得られること

スネルの法則を「導ける」ようになる。 ホイヘンスの原理とフェルマーの原理の2つの方法で、スネルの法則を自力で導出できるようになります。公式を忘れても導き直せます。

屈折が起こる物理的理由を理解できる。 光の速さが媒質によって異なることが屈折の原因であり、ホイヘンスの原理で波面の変化として説明できます。

全反射を独立の知識ではなく、スネルの法則の帰結として理解できる。 臨界角の公式も暗記ではなく、$\sin\theta_2 \leq 1$ という条件から自然に出てきます。

3ホイヘンスの原理 ─ 波動論からの説明

ホイヘンスの原理は、波の伝わり方に関する基本原理です。

ホイヘンスの原理

波面の各点が、新たな球面波(素元波)の中心となる。次の瞬間の波面は、これらの素元波の包絡面(共通接面)として得られる。

この原理を使って、屈折をどう説明するかを見ましょう。

屈折の幾何学的説明

媒質1(光速 $v_1$)から媒質2(光速 $v_2$、ただし $v_2 < v_1$)に平面波が入射角 $\theta_1$ で入る場合を考えます。

波面が境界面に斜めに到達すると、先に到達した点から素元波が出始めます。 しかし、媒質2では光の速さが遅いため、素元波の半径は媒質1に比べて小さくなります。 その結果、新しい波面(素元波の包絡面)は入射波面と異なる角度を持ちます。これが屈折です。

ホイヘンスの原理からスネルの法則を導く

境界面上で、波面の一端が点Aに到達してから他端が点Bに到達するまでの時間を $\Delta t$ とします。

この時間に、波面の端Aの部分は媒質1中を距離 $AB \sin\theta_1$ だけ進みます。ここで $AB$ は境界面上の2点間の距離です。

一方、点Aから出た素元波は媒質2中で半径 $v_2 \Delta t$ まで広がります。

幾何学的な関係から:

$$\sin\theta_1 = \frac{v_1 \Delta t}{AB}, \qquad \sin\theta_2 = \frac{v_2 \Delta t}{AB}$$

辺々割ると:

$$\frac{\sin\theta_1}{\sin\theta_2} = \frac{v_1}{v_2}$$

屈折率の定義 $n = c/v$ を使うと $v_1 = c/n_1$、$v_2 = c/n_2$ なので:

$$\frac{\sin\theta_1}{\sin\theta_2} = \frac{n_2}{n_1}$$

整理すると:

$$n_1 \sin\theta_1 = n_2 \sin\theta_2$$

スネルの法則が導けました。この導出から、屈折は「波の速さが変わること」の幾何学的な帰結であることが分かります。

屈折の物理的メカニズム

光が媒質の境界で屈折する理由は、媒質ごとに光の速さが異なるためです。 波面が斜めに境界に到達すると、先に到達した部分は遅い速度で進み始めるため、波面全体の向きが変わります。

屈折率の大きい媒質ほど光の速さが遅く($v = c/n$)、波面の曲がりが大きくなります。 これがスネルの法則 $n_1 \sin\theta_1 = n_2 \sin\theta_2$ の物理的な意味です。

4フェルマーの原理 ─ 最短時間経路からの導出

スネルの法則を導く2つ目の方法は、フェルマーの原理です。

フェルマーの原理

光は、ある点から別の点に到達するとき、所要時間が停留値(極値)となる経路を通る。

多くの場合、これは「最短時間の経路」に相当します。より正確には「経路をわずかに変えても所要時間がほとんど変わらない」経路です。

フェルマーの原理が成り立つとして、スネルの法則を導出してみましょう。微分を使います。

光路の設定

媒質1中の点A $(0, h_1)$ から境界面($y = 0$)上の点P $(x, 0)$ を経て、媒質2中の点B $(d, -h_2)$ に至る経路を考えます。 ここで $d$ はAとBの水平距離、$h_1, h_2$ は各点から境界面までの垂直距離です。

所要時間の計算

A→P の距離は $\sqrt{x^2 + h_1^2}$、P→B の距離は $\sqrt{(d-x)^2 + h_2^2}$ です。 所要時間 $T$ は:

$$T(x) = \frac{\sqrt{x^2 + h_1^2}}{v_1} + \frac{\sqrt{(d-x)^2 + h_2^2}}{v_2}$$

フェルマーの原理からスネルの法則を導く

$T(x)$ が最小(停留値)となる条件は $dT/dx = 0$ です。

$$\frac{dT}{dx} = \frac{x}{v_1 \sqrt{x^2 + h_1^2}} - \frac{d - x}{v_2 \sqrt{(d-x)^2 + h_2^2}} = 0$$

ここで、幾何学的に $\dfrac{x}{\sqrt{x^2 + h_1^2}} = \sin\theta_1$、$\dfrac{d-x}{\sqrt{(d-x)^2 + h_2^2}} = \sin\theta_2$ です。

よって:

$$\frac{\sin\theta_1}{v_1} = \frac{\sin\theta_2}{v_2}$$

$v = c/n$ を代入すると:

$$n_1 \sin\theta_1 = n_2 \sin\theta_2$$

ホイヘンスの原理とは全く異なるアプローチですが、同じスネルの法則が得られました。

落とし穴:「最短距離」と「最短時間」は異なる

誤解:光は最短距離を通る(直線で進む)

実際:光は最短時間の経路を通ります。2つの媒質で光の速さが異なる場合、直線(最短距離)は最短時間の経路とは限りません。 屈折率の大きい(光が遅い)媒質をなるべく短く通過するよう、経路が曲がるのです。

フェルマーの原理と反射の法則

フェルマーの原理は反射の法則(入射角=反射角)も導けます。 反射の場合は光が同じ媒質中を進むため、最短時間の経路は最短距離の経路と一致します。

鏡面で反射する場合の最短距離の経路を求めると、入射角と反射角が等しくなることが幾何学的に示せます。 つまり反射の法則も暗記ではなく、フェルマーの原理から導出できるものです。

2つの原理の比較
ホイヘンスの原理
波動論的アプローチ。波面と素元波の幾何学で説明する。「波が遅くなる → 波面の向きが変わる」
フェルマーの原理
変分原理的アプローチ。光路全体の所要時間を最小化する。微分で最適な経路を求める。

5全反射 ─ 臨界角の導出と応用

全反射は、スネルの法則から自然に導かれる現象です。独立した知識として覚える必要はありません。

臨界角の導出

屈折率 $n_1 > n_2$ の条件で、スネルの法則 $n_1 \sin\theta_1 = n_2 \sin\theta_2$ を考えます。

入射角 $\theta_1$ を大きくしていくと、屈折角 $\theta_2$ も大きくなります。$\theta_2$ の最大値は $90°$ です。 $\theta_2 = 90°$ のとき $\sin\theta_2 = 1$ となり:

$$n_1 \sin\theta_c = n_2 \times 1$$

臨界角

$$\sin\theta_c = \frac{n_2}{n_1} \quad (n_1 > n_2)$$

入射角が $\theta_c$ を超えると、屈折波が存在できなくなり、光はすべて反射する(全反射)。

$\theta_1 > \theta_c$ のとき、$\sin\theta_2 = (n_1/n_2)\sin\theta_1 > 1$ となり、$\sin$ の値が1を超えるため屈折波は存在しません。 光はすべて反射されます。これが全反射です。

全反射はスネルの法則の帰結

全反射の条件は、スネルの法則で $\sin\theta_2 > 1$ となる場合に対応します。 $\sin$ 関数の値域が $[-1, 1]$ であるため、これは物理的に実現不可能な状態です。

つまり全反射は、スネルの法則を正しく理解していれば独立に覚える必要がない知識です。 「$\sin$ が1を超えたら屈折波は存在しない」── これだけで十分です。

光ファイバーへの応用

全反射の最も重要な応用の1つが光ファイバーです。 光ファイバーは、屈折率の高いコア(中心部)を屈折率の低いクラッド(外周部)で覆った構造をしています。

コア内を進む光が境界面に臨界角より大きな角度で当たると全反射し、光はコア内を繰り返し全反射しながら伝播します。 これにより、光を長距離にわたって損失なく伝送できます。

落とし穴:全反射は屈折率が大きい側から小さい側への場合のみ

誤解:どんな条件でも入射角を大きくすれば全反射が起こる

正:全反射は $n_1 > n_2$(屈折率の大きい媒質から小さい媒質へ進む場合)にのみ起こります。 $n_1 < n_2$ の場合は、$\sin\theta_c = n_2/n_1 > 1$ となり、臨界角が存在しません。 つまり、どんな入射角でも必ず屈折波が存在します。

6つながりマップ

屈折と反射の理解は、光学の他のテーマの基礎になります。

  • → W-12-2 レンズと鏡:スネルの法則に近軸近似($\sin\theta \approx \theta$)を適用すると、レンズの結像公式 $1/a + 1/b = 1/f$ が導出できる。
  • → W-12-3 光の干渉:屈折に伴う位相変化(自由端反射・固定端反射)が、薄膜干渉の条件に直接関わる。
  • → W-12-4 光の回折:ホイヘンスの原理は回折現象の説明にも使われる。スリットの各点を素元波の中心と見なすのが回折の基本。
  • → W-10-1 波の基本量:波面、波長、振動数、波の速さの関係。屈折では振動数が変わらず波長が変わる。

📋まとめ

  • 高校ではスネルの法則 $n_1 \sin\theta_1 = n_2 \sin\theta_2$ を暗記するが、大学では原理から導出できる
  • ホイヘンスの原理:波面の各点が素元波の中心となり、媒質ごとの光速の違いから屈折が起こる
  • フェルマーの原理:光は所要時間が最小(停留値)となる経路を通る。微分で最適経路を求めるとスネルの法則が出る
  • 全反射はスネルの法則の帰結であり、$\sin\theta_2 > 1$ となる条件に対応する。独立に暗記する必要はない
  • 屈折率 $n = c/v$ は「真空中の光速と媒質中の光速の比」。屈折は光の速さの違いから必然的に生じる

確認テスト

Q1. ホイヘンスの原理によれば、光が屈折する原因は何ですか。

▶ クリックして解答を表示媒質ごとに光の速さが異なるため、波面が境界面に斜めに到達したとき、素元波の広がる速さの違いにより波面の方向が変わる。これが屈折です。

Q2. フェルマーの原理を一文で述べてください。

▶ クリックして解答を表示光は、ある点から別の点に到達するとき、所要時間が停留値(多くの場合は最小値)となる経路を通る。

Q3. 屈折率 $n_1 = 1.5$ の媒質から屈折率 $n_2 = 1.0$(空気)へ光が進む場合の臨界角を求めてください。

▶ クリックして解答を表示$\sin\theta_c = n_2/n_1 = 1.0/1.5 = 2/3$ より、$\theta_c = \arcsin(2/3) \approx 41.8°$

Q4. 空気中からガラス($n = 1.5$)に光が入射する場合、全反射は起こりますか。理由も答えてください。

▶ クリックして解答を表示起こりません。全反射は $n_1 > n_2$(屈折率の大きい媒質から小さい媒質へ進む場合)にのみ起こります。空気($n \approx 1.0$)からガラス($n = 1.5$)への場合は $n_1 < n_2$ なので、どの入射角でも屈折波が存在します。

9演習問題

屈折と反射に関する理解を深めましょう。

A 基礎レベル

12-1-1 A 基礎 スネルの法則

空気($n_1 = 1.0$)中からガラス($n_2 = 1.5$)に、入射角 $30°$ で光が入射した。次の問いに答えよ。

(1) 屈折角 $\theta_2$ を求めよ。

(2) ガラス中での光の速さは、真空中の光速 $c$ の何倍か。

▶ クリックして解答・解説を表示
解答

(1) $\theta_2 = \arcsin(1/3) \approx 19.5°$

(2) $c/1.5 = 2c/3$(真空中の光速の $2/3$ 倍)

解説

(1) スネルの法則 $n_1 \sin\theta_1 = n_2 \sin\theta_2$ より、$1.0 \times \sin 30° = 1.5 \times \sin\theta_2$。$\sin 30° = 0.5$ なので、$\sin\theta_2 = 0.5/1.5 = 1/3$。$\theta_2 = \arcsin(1/3) \approx 19.5°$。

(2) 屈折率の定義 $n = c/v$ より、$v = c/n = c/1.5$。

B 発展レベル

12-1-2 B 発展 全反射 臨界角

水($n_1 = 4/3$)中に光源が沈んでおり、水面(空気 $n_2 = 1.0$)を通して上から観察する。次の問いに答えよ。

(1) 水中から空気への臨界角 $\theta_c$ を求めよ。

(2) 水面から深さ $h$ の位置に点光源がある場合、水面上で光が出る円形の領域の半径 $r$ を求めよ。

▶ クリックして解答・解説を表示
解答

(1) $\sin\theta_c = 3/4$ より $\theta_c = \arcsin(3/4) \approx 48.6°$

(2) $r = h \tan\theta_c = h \times \dfrac{3}{\sqrt{7}} = \dfrac{3h}{\sqrt{7}}$

解説

(1) $\sin\theta_c = n_2/n_1 = 1.0/(4/3) = 3/4$

(2) 臨界角 $\theta_c$ より大きな入射角の光は全反射するため、水面に出るのは臨界角の円錐内の光のみ。$\sin\theta_c = 3/4$ より $\cos\theta_c = \sqrt{1 - 9/16} = \sqrt{7}/4$。$\tan\theta_c = (3/4)/(\sqrt{7}/4) = 3/\sqrt{7}$。よって $r = h\tan\theta_c = 3h/\sqrt{7}$。

採点ポイント
  • 臨界角を正しく求める(3点)
  • 全反射と観察可能な領域の関係を正しく把握(2点)
  • $r = h\tan\theta_c$ の関係を立式し正しく計算(3点)

C 応用レベル

12-1-3 C 応用 フェルマーの原理 微分

海岸の点Aにいるライフセーバーが、沖合の点Bで溺れている人を助けに向かう。陸上での走る速さは $v_1$、水中での泳ぐ速さは $v_2$($v_2 < v_1$)である。海岸線に対してAは距離 $h_1$ 内陸に、Bは距離 $h_2$ 沖合にいる。AとBの海岸線に沿った距離は $d$ である。

(1) ライフセーバーが海岸線上の点Pを経由してBに到達するまでの所要時間 $T$ を、Aからの海岸線に沿った距離 $x$ の関数として表せ。

(2) $T$ を最小にする $x$ の条件を求め、これがスネルの法則と同じ形であることを示せ。

(3) この問題と光の屈折の類似性について述べよ。

▶ クリックして解答・解説を表示
解答

(1) $T(x) = \dfrac{\sqrt{x^2 + h_1^2}}{v_1} + \dfrac{\sqrt{(d-x)^2 + h_2^2}}{v_2}$

(2) $\dfrac{\sin\theta_1}{v_1} = \dfrac{\sin\theta_2}{v_2}$($\theta_1$:Aから海岸線への角度、$\theta_2$:海岸線からBへの角度)

(3) 光の屈折において、光速が異なる2つの媒質を通過する場合と数学的に同一の構造を持つ。フェルマーの原理(最短時間経路)が光の屈折だけでなく、速度が領域ごとに異なるあらゆる最短時間問題に適用できることを示している。

解説

(1) A$(0, h_1)$ からP$(x, 0)$ までの距離は $\sqrt{x^2 + h_1^2}$、P$(x, 0)$ からB$(d, -h_2)$ までの距離は $\sqrt{(d-x)^2 + h_2^2}$。

(2) $dT/dx = 0$ とすると:

$\dfrac{x}{v_1\sqrt{x^2 + h_1^2}} = \dfrac{d-x}{v_2\sqrt{(d-x)^2 + h_2^2}}$

$\sin\theta_1 = x/\sqrt{x^2 + h_1^2}$、$\sin\theta_2 = (d-x)/\sqrt{(d-x)^2 + h_2^2}$ なので、$\sin\theta_1/v_1 = \sin\theta_2/v_2$。

これはスネルの法則 $n_1\sin\theta_1 = n_2\sin\theta_2$ において $n \propto 1/v$ とした場合と一致する。

(3) 光の屈折もライフセーバーの問題も、「速度の異なる2つの領域を通過する際の最短時間経路」という同一の数学的構造を持つ。フェルマーの原理は光に固有の法則ではなく、速度が領域ごとに異なる状況での最適経路の一般原理として理解できる。

採点ポイント
  • $T(x)$ を正しく立式する(2点)
  • $dT/dx = 0$ から条件を導く(3点)
  • $\sin$ の幾何学的解釈を正しく行う(2点)
  • スネルの法則との対応を示す(2点)
  • 物理的考察を適切に述べる(1点)