第11章 音波

音の伝わり方と音速
─ 気体の弾性率と密度からの導出

高校物理では、音速を $v = 340$ m/s(15℃)という数値として覚え、温度依存性は $v = 331.5 + 0.6t$ という近似式で扱います。 この式は計算問題を解くには十分ですが、「なぜ音速がこの値になるのか」「なぜ温度に依存するのか」は説明されません。

大学物理では、音速を媒質の弾性率と密度から導出します。 $v = \sqrt{B/\rho}$ という一般式を出発点とし、気体の場合に断熱弾性率 $B = \gamma P$ を用いることで $v = \sqrt{\gamma RT/M}$ が得られます。 この式から、高校で暗記した温度依存性も自然に導けます。

この記事では、音速の一般的な導出と、ニュートンからラプラスに至る音速の歴史的修正を扱います。

1高校物理での音速の扱い

高校物理では、音速について次のように学びます。

  • 空気中の音速は約 $340$ m/s(気温 15℃のとき)
  • 温度が高くなると音速は速くなる
  • 温度依存性の近似式:$v = 331.5 + 0.6t$($t$ は摂氏温度)
  • 音速は媒質によって異なる(固体 > 液体 > 気体の順に速い傾向がある)

これらは数値的事実として提示され、問題を解くにはこれで十分です。 しかし、この扱いにはいくつかの限界があります。

  • 「なぜ 340 m/s なのか」が説明されない。この値がどのような物理量から決まるのかは扱わない
  • $v = 331.5 + 0.6t$ の根拠が不明。なぜ係数が $0.6$ なのか、なぜ $331.5$ なのかは天下り的に与えられる
  • 「固体のほうが速い」の理由が曖昧。密度が大きい固体のほうがなぜ速いのか、直感的には矛盾するように見える

これらの疑問に答えるには、音速を物理的に導出する必要があります。

2大学の視点で見ると何が変わるのか

大学物理では、音速を「覚える数値」ではなく、媒質の物理的性質から計算で導く量として扱います。

高校 vs 大学:音速の扱い
高校:数値として暗記する
$v = 340$ m/s(15℃)
$v = 331.5 + 0.6t$
数値を覚えて計算に使う。
大学:物理量から導出する
$v = \sqrt{B/\rho}$(一般式)
$v = \sqrt{\gamma RT/M}$(気体)
弾性率と密度から音速が決まる。
高校:温度依存性は経験式
$0.6$ という係数は天下り的。
大学:$v \propto \sqrt{T}$ から近似できる
$\sqrt{T}$ を $T_0$ 周りで展開すれば高校の式が出る。
高校:固体のほうが速い理由は曖昧
密度が大きいのになぜ速い?
大学:弾性率の効果が密度を上回る
$v = \sqrt{B/\rho}$ で、固体は $B$ が圧倒的に大きい。
この記事で得られること

音速の物理的意味が分かる。 音速は「媒質がどれだけ硬くて、どれだけ軽いか」で決まります。弾性率 $B$ が大きいほど、密度 $\rho$ が小さいほど音速は大きくなります。

高校の近似式を自分で導ける。 $v = \sqrt{\gamma RT/M}$ から $v = 331.5 + 0.6t$ を導出できます。数値を暗記する必要がなくなります。

ニュートンとラプラスの歴史を知る。 ニュートンは音速の式を最初に導きましたが、等温過程と仮定したため値が合いませんでした。ラプラスが断熱過程に修正したことで実測値と一致しました。

3音速の一般式 ─ 弾性率と密度

音は、媒質の中を伝わる縦波(疎密波)です。 媒質の一部が圧縮されると、その圧縮が隣へ伝わり、次々と波が伝播していきます。

この伝播速度を決めるのは、2つの物理量です。

  • 体積弾性率 $B$:媒質を圧縮したとき、どれだけ元に戻ろうとするかを表す量。$B$ が大きいほど「硬い」媒質であり、圧縮が隣に素早く伝わる
  • 密度 $\rho$:媒質の単位体積あたりの質量。$\rho$ が大きいほど「重い」媒質であり、動きにくいため伝播が遅くなる
音速の一般式

$$v = \sqrt{\frac{B}{\rho}}$$

$B$:体積弾性率(Pa)、$\rho$:密度(kg/m$^3$)。 弾性率が大きいほど速く、密度が大きいほど遅い。

体積弾性率の定義

体積弾性率 $B$ は、圧力変化 $\Delta P$ と体積変化の比で定義されます。

$$B = -V \frac{\Delta P}{\Delta V}$$

マイナス符号は、圧力が増加すると体積が減少する($\Delta V < 0$)ことに対応しています。 $B$ の値が大きいほど、同じ圧力変化に対して体積変化が小さい、つまり「硬い」媒質です。

落とし穴:「密度が大きいと音速が速い」は誤り

誤解:「固体は密度が大きいから音速が速い」

正しい理解:固体の音速が速いのは、弾性率 $B$ が密度 $\rho$ 以上に大きいからです。 $v = \sqrt{B/\rho}$ において、固体の弾性率は気体の弾性率の $10^4$ 倍以上あり、密度の増加分を大きく上回ります。

媒質 体積弾性率 $B$(Pa) 密度 $\rho$(kg/m$^3$) 音速 $v$(m/s)
空気(15℃) $1.4 \times 10^5$ $1.23$ $340$
水(20℃) $2.2 \times 10^9$ $1000$ $1480$
$1.6 \times 10^{11}$ $7870$ $5100$

表から分かるように、空気から鉄へ密度は約 6400 倍に増えますが、弾性率は約 $10^6$ 倍に増えます。 $v = \sqrt{B/\rho}$ において弾性率の増加が密度の増加を圧倒するため、固体のほうが音速が速いのです。

4気体の音速 ─ 断熱変化としての導出

気体中の音速を求めるには、気体の弾性率を具体的に計算する必要があります。 ここで、音波の伝播が断熱過程であることが重要になります。

なぜ断熱過程か

音波による圧縮・膨張は非常に高速に起こります。 可聴音の振動数は 20 Hz 〜 20000 Hz であり、1回の圧縮・膨張にかかる時間は最長でも 0.05 秒、通常はそれよりはるかに短い時間です。 この短い時間では、圧縮された部分から周囲への熱の移動がほとんど起こりません。 したがって、音波の伝播は断熱変化として扱うのが適切です。

断熱変化における弾性率

断熱変化では、気体は $PV^{\gamma} = \text{const.}$ の関係(ポアソンの法則)に従います。 ここで $\gamma$ は比熱比($\gamma = C_P / C_V$)です。

導出:断熱弾性率

$PV^{\gamma} = \text{const.}$ の両辺を微分します。

$$V^{\gamma}\,dP + P \cdot \gamma V^{\gamma - 1}\,dV = 0$$

$V^{\gamma - 1}$ で割ると:

$$V\,dP + \gamma P\,dV = 0$$

整理すると:

$$-V\frac{dP}{dV} = \gamma P$$

左辺は体積弾性率 $B$ の定義そのものです。したがって:

$$B_{\text{ad}} = \gamma P$$

断熱弾性率は $B_{\text{ad}} = \gamma P$ です。これを音速の一般式に代入します。

気体中の音速

$$v = \sqrt{\frac{\gamma P}{\rho}}$$

$\gamma$:比熱比、$P$:気体の圧力、$\rho$:気体の密度。

理想気体の状態方程式を使った書き換え

理想気体の状態方程式 $PV = nRT$ を用いると、$P/\rho$ を温度で表すことができます。

導出:$v = \sqrt{\gamma RT / M}$

$PV = nRT$ より $P = nRT/V$。

密度 $\rho = m/V$($m$ は気体の総質量)なので:

$$\frac{P}{\rho} = \frac{nRT/V}{m/V} = \frac{nRT}{m} = \frac{RT}{M}$$

ここで $M = m/n$ はモル質量です。

したがって:

$$v = \sqrt{\frac{\gamma RT}{M}}$$

気体中の音速(温度表示)

$$v = \sqrt{\frac{\gamma RT}{M}}$$

$R = 8.314$ J/(mol$\cdot$K):気体定数、$T$:絶対温度(K)、$M$:モル質量(kg/mol)。 空気では $\gamma \approx 1.40$、$M \approx 0.029$ kg/mol。
ニュートンの音速とラプラスの補正

ニュートンは音速の式を最初に導きましたが、音波の伝播を等温過程と仮定しました。 等温変化では $PV = \text{const.}$ なので、$B_{\text{iso}} = P$ です。 これを使うと $v = \sqrt{P/\rho}$ となり、計算値は約 280 m/s になります。実測値の 340 m/s より約 16% 小さい値です。

約100年後、ラプラスが「音波の伝播は断熱過程である」と指摘し、$B = \gamma P$ を使うことで実測値と一致させました。 $\gamma \approx 1.40$ を使うと $v = \sqrt{1.40 \times P/\rho} \approx 340$ m/s となり、実測値と一致します。

この歴史は、物理において「どのような過程を仮定するか」が結果に大きく影響することを示す良い例です。

5温度依存性 ─ 高校の近似式を導く

$v = \sqrt{\gamma RT/M}$ から、音速は絶対温度の平方根に比例することが分かります。

$$v \propto \sqrt{T}$$

高校の近似式 $v = 331.5 + 0.6t$($t$ は摂氏温度)は、この関係から導くことができます。

導出:$v \approx 331.5 + 0.6t$

摂氏温度 $t$ と絶対温度 $T$ の関係は $T = 273.15 + t$ です。

0℃($T_0 = 273.15$ K)での音速を $v_0$ とすると:

$$v = v_0 \sqrt{\frac{T}{T_0}} = v_0 \sqrt{\frac{273.15 + t}{273.15}} = v_0 \sqrt{1 + \frac{t}{273.15}}$$

$t / 273.15$ が十分小さいとき、$\sqrt{1 + x} \approx 1 + x/2$ の近似が使えるので:

$$v \approx v_0 \left(1 + \frac{t}{2 \times 273.15}\right) = v_0 + \frac{v_0}{546.3}\,t$$

$v_0 = 331.5$ m/s を代入すると:

$$v \approx 331.5 + \frac{331.5}{546.3}\,t \approx 331.5 + 0.607\,t$$

これが高校の近似式 $v \approx 331.5 + 0.6t$ です。

近似式の意味

高校で暗記する $v = 331.5 + 0.6t$ は、$v = \sqrt{\gamma RT/M}$ を $t = 0$ ℃付近で1次近似したものです。

この近似は $t$ が $-20$ ℃ 〜 $40$ ℃ 程度の範囲では十分な精度を持ちますが、極端な温度(数百℃など)では $\sqrt{T}$ の正確な式を使う必要があります。

大学の式を知っていれば、近似式を覚える必要はありません。必要に応じて導出できます。

落とし穴:$v \propto \sqrt{T}$ は絶対温度に対する比例

誤り:「音速は摂氏温度の平方根に比例する」

正しい:音速は絶対温度 $T$(K)の平方根に比例します。摂氏温度 $t$ の平方根ではありません。 高校の $v = 331.5 + 0.6t$ が $t$ の1次式に見えるのは、常温付近での近似にすぎません。

6つながりマップ

音速の導出は、波動論と熱力学の交差点に位置します。

  • ← W-10-1 波の基本量:波の速度 $v = f\lambda$ と、波速が媒質の性質で決まるという一般原理。音速はその具体例。
  • ← T-8-2 断熱変化:ポアソンの法則 $PV^{\gamma} = \text{const.}$ を使って断熱弾性率 $B = \gamma P$ を導出する。
  • → W-11-2 弦の固有振動・気柱の共鳴:音速 $v$ の値を使って固有振動数 $f = v/(2L)$ などを計算する。
  • → W-11-3 ドップラー効果:ドップラー効果の公式 $f' = f(V \pm v_o)/(V \mp v_s)$ における $V$ がこの記事の音速に対応する。

📋まとめ

  • 音速は媒質の体積弾性率 $B$密度 $\rho$ で決まる:$v = \sqrt{B/\rho}$
  • 気体では音波の伝播が断熱過程であるため、$B = \gamma P$ を使い $v = \sqrt{\gamma P/\rho} = \sqrt{\gamma RT/M}$ が成り立つ
  • ニュートンは等温過程を仮定して音速を過小評価した。ラプラスが断熱過程に修正して実測値と一致させた
  • $v \propto \sqrt{T}$ を 0℃付近で1次近似すると、高校の$v \approx 331.5 + 0.6t$ が得られる
  • 固体の音速が速いのは、密度ではなく弾性率が圧倒的に大きいためである

確認テスト

Q1. 音速の一般式 $v = \sqrt{B/\rho}$ において、$B$ は何を表す物理量ですか。

▶ クリックして解答を表示体積弾性率。媒質を圧縮したときにどれだけ元に戻ろうとするかを表す量で、$B = -V(\Delta P / \Delta V)$ で定義される。

Q2. ニュートンの音速の計算が実測値より小さかった理由は何ですか。

▶ クリックして解答を表示ニュートンは音波の伝播を等温過程と仮定した。実際には断熱過程であるため、弾性率は $P$ ではなく $\gamma P$ を使うべきだった。$\gamma > 1$ なので、等温の仮定では音速が過小評価される。

Q3. 気体中の音速 $v = \sqrt{\gamma RT/M}$ において、音速は絶対温度 $T$ のどのような関数ですか。

▶ クリックして解答を表示絶対温度 $T$ の平方根に比例する($v \propto \sqrt{T}$)。摂氏温度の平方根ではない点に注意。

Q4. 固体の音速が気体より速いのはなぜですか。$v = \sqrt{B/\rho}$ を用いて説明してください。

▶ クリックして解答を表示固体は気体に比べて密度 $\rho$ も大きいが、体積弾性率 $B$ がそれ以上に大きい($10^4$ 倍以上)。$v = \sqrt{B/\rho}$ において弾性率の効果が密度の効果を圧倒するため、結果として音速は速くなる。

9演習問題

音速の導出と温度依存性について、問題で確認しましょう。

A 基礎レベル

11-1-1 A 基礎 音速の計算

空気の比熱比を $\gamma = 1.40$、モル質量を $M = 0.029$ kg/mol、気体定数を $R = 8.314$ J/(mol$\cdot$K) とする。次の問いに答えよ。

(1) 気温 15℃($T = 288$ K)における空気中の音速を $v = \sqrt{\gamma RT/M}$ を用いて計算せよ。

(2) 気温 30℃($T = 303$ K)における空気中の音速を計算せよ。

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解答

(1) $v = \sqrt{\dfrac{1.40 \times 8.314 \times 288}{0.029}} \approx 340$ m/s

(2) $v = \sqrt{\dfrac{1.40 \times 8.314 \times 303}{0.029}} \approx 349$ m/s

解説

(1) $\gamma RT/M = 1.40 \times 8.314 \times 288 / 0.029 \approx 115600$。$\sqrt{115600} \approx 340$ m/s。

(2) $\gamma RT/M = 1.40 \times 8.314 \times 303 / 0.029 \approx 121600$。$\sqrt{121600} \approx 349$ m/s。

高校の近似式 $v = 331.5 + 0.6 \times 30 = 349.5$ m/s とほぼ一致することが確認できる。

B 発展レベル

11-1-2 B 発展 近似式の導出 論述

気体中の音速が $v = \sqrt{\gamma RT/M}$ で与えられるとする。$T = 273.15 + t$($t$ は摂氏温度)を用いて、以下の問いに答えよ。

(1) 0℃での音速 $v_0$ の式を書け。

(2) $v/v_0$ を $t$ を用いて表せ。

(3) $t/273.15 \ll 1$ のとき、$\sqrt{1+x} \approx 1 + x/2$ の近似を用いて $v \approx v_0 + (v_0 / 546.3)\,t$ を示せ。

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解答

(1) $v_0 = \sqrt{\gamma R \times 273.15 / M}$

(2) $v/v_0 = \sqrt{(273.15 + t)/273.15} = \sqrt{1 + t/273.15}$

(3) $x = t/273.15$ とおくと $v \approx v_0(1 + t/(2 \times 273.15)) = v_0 + v_0 t / 546.3$

解説

(1) $v = \sqrt{\gamma RT/M}$ に $T = 273.15$ K を代入するだけ。

(2) $v/v_0 = \sqrt{T/T_0} = \sqrt{(273.15 + t)/273.15}$。

(3) $t/273.15$ が小さいとき、テイラー展開の1次の項だけを残すと $\sqrt{1 + x} \approx 1 + x/2$。 $v_0 \approx 331.5$ m/s を使うと $v_0/546.3 \approx 0.607 \approx 0.6$ となり、高校の $v = 331.5 + 0.6t$ が再現される。

採点ポイント
  • $v_0$ の式を正しく書く(2点)
  • $v/v_0$ を正しく表す(2点)
  • $\sqrt{1+x} \approx 1+x/2$ の近似を正しく適用(3点)
  • 高校の近似式との対応を示す(1点)

C 応用レベル

11-1-3 C 応用 断熱弾性率 ニュートンとラプラス

1気圧($P = 1.013 \times 10^5$ Pa)、15℃の空気の密度を $\rho = 1.225$ kg/m$^3$、比熱比を $\gamma = 1.40$ とする。次の問いに答えよ。

(1) ニュートンのように等温過程を仮定した場合の音速(等温音速)$v_{\text{iso}} = \sqrt{P/\rho}$ を計算せよ。

(2) ラプラスの補正を加えた音速(断熱音速)$v_{\text{ad}} = \sqrt{\gamma P/\rho}$ を計算せよ。

(3) $v_{\text{ad}} / v_{\text{iso}}$ を $\gamma$ で表し、数値を求めよ。この結果から、等温の仮定による誤差が何%であるか述べよ。

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解答

(1) $v_{\text{iso}} = \sqrt{1.013 \times 10^5 / 1.225} \approx 288$ m/s

(2) $v_{\text{ad}} = \sqrt{1.40 \times 1.013 \times 10^5 / 1.225} \approx 340$ m/s

(3) $v_{\text{ad}} / v_{\text{iso}} = \sqrt{\gamma} = \sqrt{1.40} \approx 1.183$。等温の仮定では約 18% 過小評価する。

解説

(1) $P/\rho = 1.013 \times 10^5 / 1.225 \approx 82700$。$\sqrt{82700} \approx 288$ m/s。

(2) $\gamma P/\rho = 1.40 \times 82700 \approx 115800$。$\sqrt{115800} \approx 340$ m/s。実測値と一致する。

(3) $v_{\text{ad}} = \sqrt{\gamma P/\rho} = \sqrt{\gamma} \times \sqrt{P/\rho} = \sqrt{\gamma}\,v_{\text{iso}}$。 $\sqrt{1.40} \approx 1.183$ なので、等温音速は断熱音速の $1/1.183 \approx 0.845$ 倍、つまり約 15.5% 小さい。 逆にいえば、断熱音速は等温音速より約 18.3% 大きい。

この差は実験で容易に検出でき、ニュートンの時代にも音速の実測値は知られていたため、等温モデルの問題は認識されていた。

採点ポイント
  • 等温音速の計算(2点)
  • 断熱音速の計算(2点)
  • $v_{\text{ad}}/v_{\text{iso}} = \sqrt{\gamma}$ を導出(3点)
  • 誤差の定量的評価(1点)