第8章 熱力学第一法則

状態変化とP-Vグラフ
─ 定圧・定積・等温・断熱変化

高校物理では、定積・定圧・等温・断熱の4つの状態変化を個別に学びます。 それぞれの変化ごとに $Q$、$W$、$\Delta U$ の関係を覚える必要があり、 「なぜその結果になるのか」が見えにくい構成になっています。

大学物理では、4つの変化はすべて熱力学第一法則 $dU = \delta Q - \delta W$ の特殊ケースとして統一的に扱います。 各変化の条件($dV = 0$、$dP = 0$、$dT = 0$、$\delta Q = 0$)を第一法則に代入するだけで、 すべての結果が自動的に導けます。

さらに、P-V図を使うと仕事が面積として視覚化され、 異なる過程での仕事の大小関係やサイクルでの正味の仕事が直感的に読み取れるようになります。

1高校での扱いを確認する

高校物理では、気体の状態変化を4つに分類して学びます。

状態変化 条件 高校での扱い
定積変化 体積一定 $W = 0$、$Q = \Delta U$
定圧変化 圧力一定 $W = P\Delta V$、$Q = \Delta U + P\Delta V$
等温変化 温度一定 $\Delta U = 0$、$Q = W$
断熱変化 熱の出入りなし $Q = 0$、$W = -\Delta U$

この表を暗記し、問題文の条件に応じて使い分けるのが高校のアプローチです。 入試では有効ですが、次のような疑問が残ります。

  • 4つの結果がバラバラに見える。統一的な原理から導けるのに、個別に覚えている
  • 等温変化での仕事 $W = nRT\ln(V_2/V_1)$ の導出がない。高校では結果だけ示されることが多い
  • 断熱変化で $PV^\gamma = \text{const}$ となる理由が説明されない。

2大学の視点で何が変わるか

高校 vs 大学:4つの状態変化の扱い
高校:4つを個別に暗記
それぞれの変化ごとに $Q$, $W$, $\Delta U$ を覚える。
大学:すべて第一法則の特殊ケース
$dU = \delta Q - P\,dV$ に条件を代入するだけ。
高校:仕事は $W = P\Delta V$(定圧のみ)
等温変化の仕事は結果を暗記。
大学:仕事は $W = \int P\,dV$(どの過程でも)
積分で導出するので、等温変化の仕事も自力で計算できる。
高校:$PV^\gamma = \text{const}$ は暗記
なぜこの式になるかは説明されない。
大学:$PV^\gamma = \text{const}$ を導出
断熱条件 $\delta Q = 0$ と第一法則から数学的に導ける。
この記事で得られること

4つの状態変化を暗記する必要がなくなる。 第一法則 $dU = \delta Q - P\,dV$ に各変化の条件を代入するだけで、すべての結果が出ます。 統一的な原理から個別の結果を導出できるようになります。

等温変化の仕事を自分で計算できる。 $W = \int P\,dV$ に $P = nRT/V$ を代入して積分するだけです。

ポアソンの式 $PV^\gamma = \text{const}$ を導出できる。 断熱条件と第一法則から、微分方程式を解くことで導けます。

P-V図の読み方が分かる。 面積が仕事に対応し、サイクルの囲む面積が正味の仕事になることが理解できます。

3定積変化

定積変化は体積が一定($dV = 0$)の過程です。第一法則に代入してみましょう。

定積変化での第一法則

$dV = 0$ より $\delta W = P\,dV = 0$

$$dU = \delta Q \quad \Longrightarrow \quad \Delta U = Q$$

体積が変化しないので仕事はゼロ。与えた熱はすべて内部エネルギーの増加に使われる。

理想気体では $U = \dfrac{f}{2}nRT$ なので、$\Delta U = nC_V \Delta T$(ここで $C_V = \dfrac{f}{2}R$ は定積モル比熱)です。したがって:

$$Q = nC_V \Delta T$$

P-V図では、定積変化は縦の直線で表されます。$V$ が変化しないため、曲線の下の面積(= 仕事)はゼロです。

4定圧変化とマイヤーの関係

定圧変化は圧力が一定($P = \text{const}$)の過程です。

定圧変化での第一法則

$P = \text{const}$ より $W = \displaystyle\int_{V_1}^{V_2} P\,dV = P\Delta V = P(V_2 - V_1)$

$$Q = \Delta U + W = nC_V \Delta T + P\Delta V$$

与えた熱は、内部エネルギーの増加と外部への仕事の両方に分配される。

ここで、理想気体の状態方程式 $PV = nRT$ を使います。$P$ が一定のとき $P\Delta V = nR\Delta T$ です。したがって:

$$Q = nC_V \Delta T + nR\Delta T = n(C_V + R)\Delta T$$

定圧変化で加えた熱量を $Q = nC_P \Delta T$ と書くと、$C_P$ は定圧モル比熱です。比較すると:

マイヤーの関係

$$C_P - C_V = R$$

定圧モル比熱は定積モル比熱よりも気体定数 $R$ だけ大きい。 定圧変化では温度を上げるために、内部エネルギーの増加に加えて膨張仕事の分だけ余分に熱が必要だから。
マイヤーの関係の導出

定圧変化で $Q = nC_P \Delta T$

第一法則より $Q = \Delta U + W = nC_V \Delta T + P\Delta V$

$PV = nRT$ で $P = \text{const}$ なので $P\Delta V = nR\Delta T$

したがって $nC_P \Delta T = nC_V \Delta T + nR\Delta T$

両辺を $n\Delta T$ で割って $C_P = C_V + R$

$C_P > C_V$ の物理的意味

定積変化と定圧変化の両方で、気体の温度を同じだけ上げる場合を考えます。

定積変化では熱はすべて内部エネルギーの増加に使われます。 一方、定圧変化では温度を上げるのに加えて、膨張する分の仕事 $P\Delta V = nR\Delta T$ も必要です。

だから定圧のほうが余分に熱が必要で、$C_P = C_V + R > C_V$ となります。 $R$ の差は「膨張仕事のコスト」に対応しています。

5等温変化

等温変化は温度が一定($T = \text{const}$)の過程です。

理想気体の内部エネルギーは $U = \dfrac{f}{2}nRT$ であり、温度のみの関数です。 温度が変化しないので:

$$\Delta U = 0 \quad \Longrightarrow \quad Q = W$$

等温変化では、吸収した熱がすべて仕事に変換されます(膨張の場合)。仕事を計算しましょう。

等温変化での仕事の計算

$W = \displaystyle\int_{V_1}^{V_2} P\,dV$

$PV = nRT$ より $P = \dfrac{nRT}{V}$ を代入:

$W = \displaystyle\int_{V_1}^{V_2} \frac{nRT}{V}\,dV = nRT \int_{V_1}^{V_2} \frac{dV}{V}$

$T$ は一定なので積分の外に出せる。$\int dV/V = \ln V$ を使って:

$$W = nRT \ln\frac{V_2}{V_1}$$

等温変化での仕事と熱

$$W = Q = nRT \ln\frac{V_2}{V_1}$$

膨張($V_2 > V_1$)のとき $W > 0$、$Q > 0$(吸熱)。 圧縮($V_2 < V_1$)のとき $W < 0$、$Q < 0$(放熱)。

P-V図では等温変化は $P = nRT/V$ の双曲線(等温線)で表されます。 温度が高い等温線ほど外側(右上)に位置します。

落とし穴:等温変化では「$W = P\Delta V$」は使えない

誤:等温変化で $W = P\Delta V$ を使って仕事を計算する

正:$W = P\Delta V$ は $P$ が一定(定圧変化)のときだけ有効。 等温変化では $P$ が変化するので、$W = \int P\,dV$ を積分で計算する必要がある。

6断熱変化とポアソンの式

断熱変化は熱の出入りがない($\delta Q = 0$)過程です。第一法則に代入すると:

$$dU = -\delta W = -P\,dV$$

つまり、気体が膨張すると($dV > 0$)内部エネルギーが減少し($dU < 0$)、温度が下がります。 圧縮すると温度が上がります。

断熱変化での第一法則

$$\delta Q = 0 \quad \Longrightarrow \quad W = -\Delta U = -nC_V \Delta T$$

断熱膨張では温度が下がり($\Delta T < 0$)、仕事は正($W > 0$)。 断熱圧縮では温度が上がり($\Delta T > 0$)、仕事は負($W < 0$)。

ポアソンの式の導出

断熱変化では $PV^\gamma = \text{const}$ という関係が成り立ちます。これをポアソンの式と呼びます。導出してみましょう。

ポアソンの式の導出

第一法則の断熱版:$dU = -P\,dV$

$dU = nC_V dT$ を代入:$nC_V dT = -P\,dV$ ……(1)

理想気体の状態方程式 $PV = nRT$ の両辺を微分:

$P\,dV + V\,dP = nR\,dT$ ……(2)

(1) から $dT = -\dfrac{P\,dV}{nC_V}$ を (2) に代入:

$P\,dV + V\,dP = nR \cdot \left(-\dfrac{P\,dV}{nC_V}\right) = -\dfrac{R}{C_V}\,P\,dV$

整理すると $V\,dP = -P\,dV\left(1 + \dfrac{R}{C_V}\right) = -\dfrac{C_V + R}{C_V}\,P\,dV = -\dfrac{C_P}{C_V}\,P\,dV$

$\gamma = C_P / C_V$ とおくと:$V\,dP = -\gamma P\,dV$

変数分離して:$\dfrac{dP}{P} = -\gamma \dfrac{dV}{V}$

両辺を積分:$\ln P = -\gamma \ln V + \text{const}$

$$PV^\gamma = \text{const}$$

ポアソンの式

$$PV^\gamma = \text{const} \qquad \left(\gamma = \frac{C_P}{C_V}\right)$$

断熱変化における $P$ と $V$ の関係。$\gamma > 1$ なので、断熱変化の曲線は等温線よりも急な傾きを持つ。 $TV^{\gamma-1} = \text{const}$ や $T^\gamma P^{1-\gamma} = \text{const}$ も同値な表現。
断熱線は等温線よりも急な理由

等温変化($PV = \text{const}$)と断熱変化($PV^\gamma = \text{const}$)を比べると、 $\gamma > 1$ なので断熱変化のほうが $P$ の減少が速くなります。

物理的な理由は明快です。等温膨張では外部から熱が供給されるため温度が維持されますが、 断熱膨張では熱の供給がないため、仕事をした分だけ温度が下がります。 温度が下がると圧力もさらに下がるので、断熱変化のほうが急な曲線になります。

7P-V図でのサイクルと正味の仕事

気体がある状態から出発し、いくつかの過程を経て元の状態に戻る一連の変化をサイクルと呼びます。

サイクルでは始点と終点が同じなので、$\Delta U = 0$(状態量は元に戻る)です。第一法則より:

$$\Delta U = 0 \quad \Longrightarrow \quad Q_{\text{net}} = W_{\text{net}}$$

1サイクルで吸収した正味の熱量は、1サイクルで外部にした正味の仕事に等しくなります。

P-V図上では、サイクルは閉じた曲線で表されます。 正味の仕事 $W_{\text{net}}$ は、この閉曲線で囲まれた面積に等しくなります。

  • 時計回りのサイクル → $W_{\text{net}} > 0$(熱機関:熱を仕事に変換)
  • 反時計回りのサイクル → $W_{\text{net}} < 0$(ヒートポンプ:仕事で低温から高温に熱を移動)
4つの変化の統一的な見方

4つの状態変化は、すべて $dU = \delta Q - P\,dV$ という1つの式の特殊ケースです。

定積変化:$dV = 0$ を代入 → $dU = \delta Q$

定圧変化:$P = \text{const}$ で積分 → $\Delta U = Q - P\Delta V$

等温変化:$dT = 0$($dU = 0$)を代入 → $\delta Q = P\,dV$

断熱変化:$\delta Q = 0$ を代入 → $dU = -P\,dV$

暗記すべきは $dU = \delta Q - P\,dV$ の1つだけです。あとは条件を入れるだけです。

状態変化 条件 $W$ $\Delta U$ $Q$
定積 $dV = 0$ $0$ $nC_V \Delta T$ $nC_V \Delta T$
定圧 $P = \text{const}$ $P\Delta V$ $nC_V \Delta T$ $nC_P \Delta T$
等温 $T = \text{const}$ $nRT\ln\dfrac{V_2}{V_1}$ $0$ $nRT\ln\dfrac{V_2}{V_1}$
断熱 $\delta Q = 0$ $-nC_V \Delta T$ $nC_V \Delta T$ $0$

8つながりマップ

  • ← T-8-1 熱と仕事:第一法則 $dU = \delta Q - \delta W$ と、状態量・過程量の区別。本記事ではこれを具体的な状態変化に適用した。
  • → T-8-3 モル比熱と自由度:$C_V = \frac{f}{2}R$ と $C_P = C_V + R$ の物理的な意味を、等分配則(自由度の観点)から理解する。$\gamma = (f+2)/f$ の導出。
  • → T-9-1 不可逆過程と熱力学第二法則:第一法則はエネルギーの「量」を保証するが、サイクルの効率の上限(カルノーの定理)は第二法則が決める。

📋まとめ

  • 4つの状態変化は、すべて第一法則 $dU = \delta Q - P\,dV$ に条件を代入するだけで導ける。個別に暗記する必要はない
  • 定積変化:$W = 0$、$Q = nC_V\Delta T$。定圧変化:$W = P\Delta V$、$Q = nC_P\Delta T$。$C_P - C_V = R$(マイヤーの関係)
  • 等温変化:$\Delta U = 0$、$W = Q = nRT\ln(V_2/V_1)$。仕事は積分で計算する
  • 断熱変化:$Q = 0$、$W = -\Delta U$。$PV^\gamma = \text{const}$(ポアソンの式)が成り立つ
  • P-V図上で、曲線の下の面積が仕事、サイクルの囲む面積が正味の仕事に等しい

確認テスト

Q1. 定積変化で $W = 0$ となる理由を、$W = \int P\,dV$ の式から説明してください。

▶ クリックして解答を表示定積変化では体積が一定($dV = 0$)なので、$W = \int P\,dV$ の被積分関数が $P \times 0 = 0$ となる。したがって積分値も $W = 0$。

Q2. マイヤーの関係 $C_P - C_V = R$ の物理的な意味を述べてください。

▶ クリックして解答を表示定圧変化で気体の温度を上げるとき、内部エネルギーの増加($nC_V\Delta T$)に加えて膨張仕事($P\Delta V = nR\Delta T$)の分だけ余分に熱が必要になる。この余分な分が $R$ に対応している。

Q3. 等温変化で仕事の計算に $W = P\Delta V$ ではなく $W = \int P\,dV$ を使わなければならない理由は何ですか。

▶ クリックして解答を表示$W = P\Delta V$ は圧力 $P$ が一定(定圧変化)の場合にのみ有効。等温変化では $P = nRT/V$ であり、体積とともに圧力が変化するため、$P$ を $V$ の関数として積分 $W = \int P\,dV$ を実行する必要がある。

Q4. P-V図上のサイクルにおいて、囲まれた面積は何を表しますか。

▶ クリックして解答を表示1サイクルで気体が外部にする正味の仕事 $W_{\text{net}}$ を表す。サイクルでは $\Delta U = 0$ なので、$W_{\text{net}} = Q_{\text{net}}$(正味の吸収熱量)でもある。時計回りなら正の仕事(熱機関)、反時計回りなら負の仕事(ヒートポンプ)。

11演習問題

各状態変化での第一法則の適用を、問題で確認しましょう。

A 基礎レベル

8-2-1 A 基礎 定積変化 定圧変化

1 mol の単原子理想気体($C_V = \frac{3}{2}R$)を 300 K から 400 K に加熱する。$R = 8.31$ J/(mol$\cdot$K) とする。

(1) 定積変化で加熱したとき、必要な熱量 $Q_V$ を求めよ。

(2) 定圧変化で加熱したとき、必要な熱量 $Q_P$ を求めよ。

(3) $Q_P > Q_V$ となる理由を述べよ。

▶ クリックして解答・解説を表示
解答

(1) $Q_V = nC_V\Delta T = 1 \times \frac{3}{2} \times 8.31 \times 100 = 1247$ J

(2) $Q_P = nC_P\Delta T = 1 \times \frac{5}{2} \times 8.31 \times 100 = 2078$ J

(3) 定圧変化では温度上昇に伴い気体が膨張し、外部に仕事 $P\Delta V = nR\Delta T = 831$ J をする。その分だけ余計に熱が必要になるため $Q_P > Q_V$。

解説

$C_P = C_V + R = \frac{3}{2}R + R = \frac{5}{2}R$(マイヤーの関係)。

$Q_P - Q_V = n(C_P - C_V)\Delta T = nR\Delta T = 831$ J。これは定圧過程で気体がした仕事 $W = P\Delta V = nR\Delta T$ に一致する。

B 発展レベル

8-2-2 B 発展 等温変化 積分

2 mol の理想気体を温度 $T = 300$ K 一定のもとで、体積を $V_1 = 10$ L から $V_2 = 30$ L に準静的に膨張させる。$R = 8.31$ J/(mol$\cdot$K) とする。

(1) この過程で気体が外部にした仕事 $W$ を求めよ。

(2) 内部エネルギーの変化 $\Delta U$ を求めよ。

(3) 気体が吸収した熱量 $Q$ を求めよ。

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解答

(1) $W = nRT\ln\dfrac{V_2}{V_1} = 2 \times 8.31 \times 300 \times \ln 3 = 4986 \times 1.099 \approx 5.48 \times 10^3$ J

(2) $\Delta U = 0$(等温変化なので内部エネルギーは変化しない)

(3) $Q = \Delta U + W = 0 + W \approx 5.48 \times 10^3$ J

解説

等温変化では $T$ が一定なので、理想気体の内部エネルギー $U = \frac{f}{2}nRT$ も一定であり $\Delta U = 0$。

$W = \int_{V_1}^{V_2} P\,dV = \int_{V_1}^{V_2} \frac{nRT}{V}\,dV = nRT\ln\frac{V_2}{V_1}$

$\ln 3 \approx 1.099$ を使って数値計算。吸収した熱はすべて外部への仕事に変換される。

採点ポイント
  • $W = nRT\ln(V_2/V_1)$ を正しく適用(3点)
  • $\Delta U = 0$ の理由を述べる(2点)
  • $Q = W$ を第一法則から導く(2点)
  • 数値計算が正しい(3点)

C 応用レベル

8-2-3 C 応用 断熱変化 ポアソンの式

1 mol の二原子理想気体($\gamma = 7/5$)が、初期状態 $(P_1, V_1, T_1) = (1.0 \times 10^5\ \text{Pa},\ 20\ \text{L},\ 240\ \text{K})$ から断熱的に圧縮され、体積が $V_2 = 10$ L になった。

(1) 圧縮後の圧力 $P_2$ を求めよ。

(2) 圧縮後の温度 $T_2$ を求めよ。

(3) この過程で外部が気体にした仕事を求めよ。

▶ クリックして解答・解説を表示
解答

(1) $P_1 V_1^\gamma = P_2 V_2^\gamma$ より $P_2 = P_1 \left(\dfrac{V_1}{V_2}\right)^\gamma = 1.0 \times 10^5 \times 2^{7/5} \approx 2.64 \times 10^5$ Pa

(2) $T_1 V_1^{\gamma-1} = T_2 V_2^{\gamma-1}$ より $T_2 = T_1 \left(\dfrac{V_1}{V_2}\right)^{\gamma-1} = 240 \times 2^{2/5} \approx 317$ K

(3) 断熱変化なので $Q = 0$。$W = -\Delta U = -nC_V(T_2 - T_1) = -1 \times \frac{5}{2} \times 8.31 \times (317 - 240) \approx -1600$ J。外部が気体にした仕事は $|W| \approx 1600$ J。

解説

(1) ポアソンの式 $PV^\gamma = \text{const}$ を適用。$V_1/V_2 = 2$ なので $P_2 = P_1 \times 2^{1.4}$。$2^{1.4} = 2^1 \times 2^{0.4} = 2 \times 1.32 \approx 2.64$。

(2) $TV^{\gamma-1} = \text{const}$ を使う。$\gamma - 1 = 0.4$ なので $T_2 = 240 \times 2^{0.4} = 240 \times 1.32 \approx 317$ K。断熱圧縮により温度は上昇する。

(3) 気体がした仕事は $W = -nC_V\Delta T < 0$(圧縮なので負)。外部が気体にした仕事はその絶対値。$C_V = \frac{5}{2}R$(二原子分子)。

採点ポイント
  • ポアソンの式を正しく適用(3点)
  • $TV^{\gamma-1} = \text{const}$ の同値形を使う(2点)
  • 断熱変化での仕事を $W = -nC_V\Delta T$ で計算(3点)
  • 数値計算が正しい(2点)